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SEEDSプロジェクト

プロジェクト概要

現在、当プロジェクト室が中心となって進めている観測プロジェクトがSEEDS(シーズ)です。このプロジェクトでは、太陽系外惑星とその母体である星周円盤を探査するため、すばる望遠鏡用に開発された高コントラスト撮像カメラHiCIAOと、大気の揺らぎを補正する補償光学装置(AO188)とを主に用いています。2009年10月から観測が始まり、すばる望遠鏡を用いて5年間120夜で約500天体の探査を行います。これによって、「我々の太陽系が普遍的なものかどうか」を直接観測法によって探査します。また、このプロジェクトは国内の大学のみならず、海外の多くの研究者と協力しており、日本を中心とした総勢100名を超える国際プロジェクトとなっています。

プロジェクト概要

惑星探査について

惑星探査について

2013年1月現在、系外惑星の発見数は、候補天体を含めて3500個を超えます。しかし、惑星の姿を画像として捉える直接撮像の成功例は、間接的な方法と比べて技術的にも難しく、まだ10個程度しかありません。間接法で検出できる系外惑星の多くは、中心星のすぐ近くを回る惑星を見つけることが得意です。一方、直接撮像では、実際に撮像された系外惑星がそうであるように、星から比較的離れたところを回る木星の様に大きな惑星を見つけることが得意です。このように、星から遠いところを回る巨大惑星は、現在の惑星形成モデルでは作ることができません。そのため、「第二の木星を直接写し、精査すること」がSEEDSの目標の一つです。

右図:アンドロメダ座カッパ星系の近赤外線画像を疑似カラーで表示したもの

中心の黒い円はデータ処理により取り除かれた中心星にごく近い部分です。そこから 55 天文単位(海王星軌道の 1.8 倍)の距離に、木星の13倍程度の重さのアンドロメダ座カッパ星 b 天体(左上に見える点)があります。

円盤探査について

円盤探査について

星が産まれる時、その星の周りでガスや塵(チリ)で出来た円盤が形成されます。惑星は、この中で誕生すると考えられているため、この円盤を「原始惑星系円盤」と呼びます。この円盤は、星が成長していくにつれて薄くなり、円盤を直接に撮像することが難しくなります。また、ここで惑星が誕生するということは分かっていても、具体的にいつ・どこで・どのように惑星が誕生しているのかはまだ分かっていません。 円盤内で木星サイズの大きな惑星が誕生すると、その重力の影響をうけ、円盤内に構造が出来ることが分かっています。様々な年代の原始惑星系円盤を直接捉えてその構造を調べ、惑星がいつ・どこで誕生するかを明らかにすることもSEEDSの目標の一つです。

右図:PDS 70という天体の想像図

内側と外側に円盤があり、その間に巨大なすきまがあります。すきまには生まれたばかりの惑星がいくつか周っており、それら惑星の重力的な影響で円盤に巨大なすきまができた可能性があります。

惑星系の進化とSEEDSプロジェクト

惑星系の進化とSEEDSプロジェクト